近年、資産形成の重要性が叫ばれています。
2,000万円問題が話題にもなりましたが、老後に豊かな生活を送りたいのであれば、自ら資産形成をしていかなければいけません。
しかし独身だった時と違って、家庭を持ってマイホームを持っている世代は、生活するので精一杯です。
だからと言って何もしないでいても、現実は変わりません。
できる範囲で、自分なりの資産形成の戦略を練っていく必要があります。
私はまだ子供にお金がかからないので、今のうちから対策を講じていこうと考えています。
いつまでに、どれくらいの資産を持ちたいか?
お金は多ければ多いほど良いですが、だからと言って際限なく増やし続けることに意味はありません。
極端な話、100億円あって、毎年4億円配当で貰えたとしても、それを全て再投資し続けたまま一生を終えたら、それはないものと一緒です。
そのため、自分の人生を幸福にするために必要な目標金額を決め、達成後は「使っていく」ということも必要です。
何歳の時にいくらあれば良いのか、何をするためのお金なのか、それを定めておかなければなりません。
ただ増やすだけでなく、お金を正しく使って効率良く幸せになることも、金融リテラシーの一つだと思います。
FIREを目指すなら子育て後
FIREという言葉をご存知でしょうか。
Financial Independence(経済的自立)とRetire Early(早期退職)の略語で、ただ貯蓄して仕事を辞めるのではなく、安定した収入を確保して仕事を辞めよう、という話です。
基本的には株式の配当や不動収入等で収入を確保するのですが、実際問題、子育て世帯には非常難易度が高いです。
そのため、FIREを目標にするとしても、子育てが終わった後を目安に目指すか、もしくは定年退職後の贅沢を楽しみに、原動力とするのが良いでしょう。
退職せずに別荘を買う、というのも良い
資産に余裕ができたなら、FIREではなく他の大きな贅沢に使う、というのも良いでしょう。
私は今でも仕事は嫌ですが、社会は年齢を重ねるごとに楽になるようになっているため(それも歪んでいますが)、年々負担は減ってきているように感じます。
そのため、50歳くらいになるとそこまで「辞めたい」とは思っていないかもしれません。
もちろん、「いつでも辞められる」という金銭的な余裕が仕事を楽にするのもあるので、資産形成は絶対に必要だと思います。
しかし十分なお金が貯まったらすぐに退職するのではなく、別のものに使ってQOLを高める、ということも選択肢の一つです。
個人的には、海の見える別荘なんかも憧れます。
仕事を続けながら、大型連休には海の見える別荘で贅沢三昧、そして退職後は悠々自適な生活を送る、というのは理想的ですよね。
別荘というと贅沢の極みのようなイメージがありますが、実際、FIREするよりも断然ハードルが低いです。
例えば50歳過ぎで年収600万円あるなら、5年間働かないと3,000万円の差が出ます。
もちろん手取りではないですが、貰っていればそのお金を運用することができますので、相当大きな違いが出ます。
別荘もピンキリですが、中古であれば1,000万円もすれば買えるところも多いです。
そのため、FIREできるくらいの資産があるなら、定年まで働いて、別荘を買って贅沢な老後、というのも可能です。
まぁ実際にその時にならないと、その時の気持ちは分からないので、いずれにせよ資産形成を進めておく必要があるのは間違いありません。
資産運用(投資)は必須
資産形成の基本は資産運用です。
株式、債券、不動産等、投資対象は様々ありますが、いずれも配当等を再投資することで、配当が配当を生む「複利」の状態にすることが重要です。
もちろんそれだけでは足りないので、自分の給与の一部も投資していく必要があります。
子供がいて住宅ローンがあっても、これをやらなければ始まりません。
私の場合、ボーナスは住宅ローン繰上げ返済用資金として、資産運用に充てています。
参考記事 : 月10万円の住宅ローン返済資金で投資信託(インデックスファンド)を購入!成果は?
しかし、資産形成にお金を使いすぎて、貧しい生活になってしまっては本末転倒です。
無理なく資産形成を行うためには、収入の最大化と支出の最適化、この二つが必要です。
支出は最小化ではなく「最適化」です。
収入を増やす
収入を増やす方法は資産運用か副業しかありません。
資産運用は前提としても、世帯持ちでは、収入を増やさなければ投資に回すお金は限られます。
とは言え、家に帰れば家族がいるので、副業ばかりしていては家庭が崩壊してしまいます。
副業はなかなかハードルが高いですが、これが出来れば、その分のお金は全て投資にまわせるので、資産形成に大きな影響を及ぼします。
そのため、①通勤時間に副業をする、②家族で協力して趣味にする、の二択となります。
通勤時間を有効活用するのは良いですが、在宅ワークが進む現在、時代と逆行しているかもしれません。
しかし通勤時間でなくても、今はスマホでできる副業が増えているので、隙間時間を活用するのはありです。
具体的に言うと、こういったブログもそうですが、アンケートモニター、クラウドソーシング、ポイントサイト等、多岐に渡ります。
徹底的に投資の勉強をするのも良いと思います。
②は、例えば子供とYouTubeのチャンネルを立ち上げている人もいますよね。
こういうのは、家族と一緒に副業にチャレンジしている例だと思います。
他にも、休日には一緒にリサイクルショップに行き、せどりに挑戦してみるのも良いでしょう。
最大のポイントは「楽しむこと」です。
月数万円であれば現実的にも稼げる範囲だとと思いますし、月数万円を投資に回すだけで、将来には大きく差がでます。
支出を減らす
もう一つは支出を減らすことです。
ただし、家族がいると減らせない部分もあるので、あくまで無駄を削る「最適化」と考えると良いでしょう。
たとえば、いつも国産の肉を買っていたら、アメリカ産に変える、とかでも良いです。
しかしここで重要なのが、拘りをもって国産肉を買っている人は、無理に変えるべきではないということです。
お金は正しく使って生活の満足度を上げることもリテラシーの一つですので、「国産でもアメリカ産でもどっちでも良いけど、何となく国産にしてる」という方は出費を削るべき、ということです。
人によって価値観は異なるので、「アメリカ産の肉に大きく抵抗がある」という方は、無理に変える必要はありません。
他にも、会社の昼食をお弁当に変えたり、水筒を持ち歩く、と言うのも良いです。
自分の価値観に照らして、幸福度がそれほど下がらないことが重要です。
スポンサーリンク極端な支出削減は幸福を犠牲にする
資産形成の観点だけで言えば、支出は限りなく減らし、極力早く投資にお金を回すべきです。
しかし、過度に支出を削減することは、自らの幸福度を下げることになります。
私は住宅ローンを組んで家を建てましたが、資産形成だけを考えればマイホームが得になるかは難しい問題です。
しかし例えば結果的に損になったとしても、私はそれで良いと思います。
参考記事 : 住宅ローン・自動車ローンはやめとけと言われるが、そうは思わない理由
資産形成はあくまで幸福になる手段の一つであり、目的ではありません。
もし自分が「広い拘りのマイホームで家族と過ごす」ということに幸福を感じるのであれば、それはお金を払っても価値のあるものと言えるでしょう。
資産形成だけ考えれば、私の場合は、社宅に住み、食事は極力質素にし、旅行には絶対に行かない、というのが最適解です。
しかしそれでは資産形成が目的となってしまい、その間の幸福度を大きく下げることになります。
老後のお金には違いが出るかもしれませんが、人生という単位で考えた時に、幸せだと言えるでしょうか。
家族との思い出を作るための支出や、子供の将来のための支出は、削るべきではないと思います。
今しか出来ないこと、自分の価値観において重要なことに正しくお金を使い、正しく幸福になることこそ、賢い生き方だと思います。
それは学生にも言えることで、いくら長期投資や複利が大事だと言っても、積立NISAなんかしてないで、バイト代は友人と旅行に行き、彼女とデートをするために使うべきです。
きっとそれは老後の1億円よりも価値があるものだと思います。
住宅は資産ではなく負債
自身も住宅ブログを書いていますし、マイホームを買った人間なので、家を持つことには肯定派です。
しかしそれは「マイホームはお金を払う価値のあるほど、幸福をもたらしてくれる」と考えているだけであり、「賃貸の家賃と違って資産になる」と考えているわけではありません。
今は低金利の時代なので、家賃にプラスアルファ払えば、家を自分のものにできる、と考える人もいるでしょう。
家賃で払い続けても将来何も残らないけど、家は資産として形に残る、と。
しかし残念ながら、自分の人生が終わる頃には上物は価値を失うどころか、建っているだけで土地の資産価値を下げるものに成り果てます。
土地の価格が高い地域であれば、上物の取り壊し費用を加味してもそれなりの価値は残りますが、田舎だともはや何も残っていないも同義です。
家を建てることは様々なリスクが付き纏うため、賃貸のまま過ごした方が良い選択の場合も多々あります。
しかし私はそれで良いと考えます。
家を持つ人は、マイホームに憧れ、そこに幸せを見出したからではないでしょうか。
「どうせ家賃を払うならローンのほうが良い」という考えで家を建てることには反対ですが、自分の価値観で、自分の人生を考えた時に、そこにマイホームという存在が欲しいのであれば、決して悪いことではありません。
しかしそう書くと、結局お金的にはマイホームよりも賃貸の方がお得なのか!と感じる人もいるかもしれませんが、それはケースバイケースだと思っています。
人によってはマイホームを買った方が得になることもあり、自分自身に当てはめて計算する必要があります。
参考記事 : 賃貸より持ち家の方がお得?マイホームがおすすめな人と理由
スポンサーリンク住宅ローンをフル活用する
住宅ローンを組む時に、「35年ローンはやめたほうが良い」と言われることもありますが、個人的にはそうは思いません。
この超低金利時代であれば、なるべく長く、多くの金額を借りるべきだと思います。
住宅ローンは税控除と低金利が重なって、資産形成においても強力な武器になると考えています。
住宅ローンをフル活用する方法については、下記の記事にまとめていますので、ご参考にしてください。
参考記事 : 住宅ローンは35年、頭金なしがお得?フル活用して資産形成する方法!
最も損なことは、給与やボーナスで無駄に住宅ローンを繰上げしてしまうことです。
これをやってしまうと①住宅ローン控除の減額と②投資可能額の減少(複利)によって、大きく損をします。
ボーナス払いにしない
住宅ローンはボーナス払いにしない方が良いと考えます。
もしボーナス払いになっているのであれば、それは少し住宅ローンが大きい可能性があります。
ボーナスはあくまで業績によって左右されるため、出ない時もあります。
ボーナス頼りにしてしまうと、万が一の時に返済が滞ることになりかねません。
また、ボーナスは繰上げ返済分として考えておかないと、資産形成の資金が不足してしまいます。
35年にしても月額の給与で返せる額にして、ボーナスは余裕資金にし、いざと言う時まで資産運用に使うのが良いと思います。
最後まで繰上げ返済しなければ、老後の贅沢に
私は毎月10万円分、住宅ローンを繰上げ返済したと思って投資に回しています。
私は35年ローンで組んでいますので、完済は64歳になります。
最近では65歳が定年となりつつありますが、私がその年齢になる頃には、70歳、75歳と定年が伸びているかもしれません。
もしもそれまで金利が大きく上昇せず、繰上げ返済の必要がなかったとしたら、住宅ローンは給与だけでこつこつと完済してしまいます。
もしそうなったら、繰上げ返済用として運用していたお金は丸々浮くことになります。
そのお金で別荘を買ってもいいですし、世界一周旅行に行ってもいいかもしれません。
また、家の老朽化が気になるなら、思い切ってリノベーションをして、最新技術で住みやすい家+バリアフリーの家にしても良いかもしれません。
人生いろいろあるので、老後より前に使い切っているかもしれませんが、それでも夢を見て、人生を前向きにしてくれるお金にもなります。
たとえ妄想に終わったとしても、仕事をし続けて定年退職を迎える、という以外に将来の選択肢を持っているのはとても希望になります。
さまざまなリスク対策にもなる
住宅ローンを繰上げ返済したと思って、毎月10万円投資していますが、これがそれなりの金額になれば、様々なリスク対策費になります。
例えば、変動金利でローンを組んでいるので、金利が急上昇した際に繰上げ返済ができます。
ペアローンを組んでいるので、妻が働けなくなった場合や仕事を辞めたくなった場合に、妻分だけ繰上げ返済することもできます。
自分が病気になった際の治療費にもなります。
自分が重度障害になったり、死亡した場合には団信でローンがゼロになるので、遺族の生活を維持する生命保険の代わりにもなります。
このように、繰上げ返済してしまえば何にも使えないですが、そうでなければ様々なリスク対策費になるのです。
そのため、住宅ローンが低金利のうちは、繰上げ返済はおすすめしません。
宝くじが当たって一括返済できるようになったとしても、結論は同じです。
現在の資産形成戦略(予定)
現在の資産形成の戦略を書いていきます。
長期積立とスポット買いを併用しますが、基本的には長期保有をメインとし、スポット買いも数年は保有する前提で買い、一部ETFなどは半永久的に持ち続けるかもしれません。
また、信用取引でレバレッジを掛けたり、短期トレードで利益を上げたり、ということを狙っていくことはしません。
少しずつ投資先を変えたり、入金額を変えたりする可能性はありますが、当面はこのように投資していこうと思います。
試算上、毎月20万円ずつ入金できれば、子育てを終える頃に1億円を超え、一つの目標に到達します。
月10万円はインデックスファンドに積立投資
まず一つめは、以前ご紹介したとおり、月10万円はインデックスファンドに積立投資していきます。
これは住宅ローンの繰上げ返済用ですが、15年後くらいには、住宅ローンの残高と逆転します。
言い換えると、15年後くらいには住宅ローンを一括返済できる資金力が貯まる、ということです。
既に1年経過していますので、40代中盤くらいにはそれくらいの金額規模になっていると試算しています。
参考記事 : 月10万円の住宅ローン返済資金で投資信託(インデックスファンド)を購入!成果は?
このお金は妻が仕事を続ける限りほぼ安定的に入金可能なので、妻が仕事をやめなければ達成可能と思われます。
今のところは働くつもりがあるようですが、仕事を辞めたければ辞めて良いと考えているので、その際にもこのお金が役に立ちます。
やはり将来幸せになるためには、コツコツと試算形成をして、柔軟に人生設計を変えていく必要があると思います。
年間120万円超をスポット投資
もう一つは、最低年間120万円のスポット投資です。
120万円というのは、NISA枠の分、というイメージです。
現在はそれ以上に入金していると思いますが、将来は出費も増えるため、今のようにはいきません。
それでも、毎月10万円+年間120万円は、なんとか継続して入金したいと考えています。
あくまで想定ですが、適度に旅行や贅沢を楽しみながらでも、それくらいであればやっていけると思います。
年金はiDeCoだけ
老後の資金としては、国民年金、退職金、iDeCoがありますが、それ以外に用意する予定はありません。
退職金はそこそこ多い会社なので、もらったら高配当株ETFに入れ、生活費の底上げに使うのが良いかなと考えています。
しかし将来も今の退職金を会社が出せるか分かりませんし、年金に至ってはもっとアテになりません。
おそらく年金は、本当に労働力として使い物にならなくなった後に最低限もらえるお金になると予想しています。
そのため、働けるのに働かない高齢者は、年金を一円も貰えなくなるのではないか、とも思います。
超高齢化社会が進んで本当にそのような状況になっても、配当金生活ができるように貯めておく必要があります。
iDeCoは税優遇が大きいので、+αで考えていますが、30年間以上続ければバカにならない金額になります。
保険は医療保険、がん保険を最低限に
保険は終身型の医療保険とがん保険に入っています。
基本的にはかけ捨てで、極力保険料を抑えるようにしています。
若い頃から入っていたため、二つ合わせて月3,100円程度ですが、最低限の保証は受けられます。
病気になっても配当金は入ってくるので、保険の意味でも金融資産を持つことは大切だと思います。
しかし金融資産がそれなりになる前に病気になるリスクもあるので、保険は保険で必要ですが。
妻はiDecoと小額の積立投資のみ
妻は現在時短勤務のため、iDeCoと月1万円の積立投資のみ行なっています。
1万円はS&P500に全振りです。
とは言え、1万円の他にiDeCo12,000円、10万円の積み立ての半分(5万円)を投資しているので、時短勤務としては十分です。
時短が終わればもう少し入金力が上がると思うので、その際はスポット購入を増やすのではなく、月10万円の積立投資の金額を15万、20万と上げていくのが良いと考えています。
妻は性格的にスポット買いはあまり向いていないので、積立投資が最適だと思います。
とは言え、今は仕事を続けたいという意思がありますが、いつ辞めたくなるか分からないので、自由に選択してもらおうと思っています。
目標 : 子育て終了時に退職
我が家の目標はとりあえず、子育て終了と同時に退職し、後は悠々自適に暮らすことです。
そももう一人子供が欲しいので、そこで双子や三つ子が生まれる可能性もあります。
また、途中で病気になるかもしれませんし、まだまだ人生未知数の部分が多々あります。
そうなった場合、子育て終了と同時に退職!というわけにはいかないと思いますが、少なくとも、それまでコツコツ投資してきた努力は無駄にはなりません。
もしかしたら、途中で価値観が変わって、子育てが終わっても仕事を続けたくなるかもしれませんし、家族との思い出作りを最優先としてお金を使ってしまうかもしれません。
それはそれで、最終的に幸せであれば問題ないと考えています。
感想、まとめ。子持ち、家持ちでも資産形成はできる!
将来のために資産形成をし、経済的な自由を目指すのは、独身やDINKS(子供なし共働き世帯)だけの特権ではありません。
もちろん、子育てにはお金がかかりますので、その分資産運用に回せるお金も減ります。
しかしたとえ月1万円でも、資産運用は継続すべきです。
1万円も余裕がない!という人もいるかもしれませんが、自分よりも1万円低い月収で子育てをしてる人たちは世の中にたくさんいるので、不可能ではありません。
とは言え、欲を言えば子供が生まれる前や小さい頃から資産運用を始めてとくべきだと思います。
仮に、若い頃に400万円を利回り3%の株に投資していたとしたら、年間12万円入ってくることになりますので、月1万円贅沢できることになります。
独身の頃や子供が小さい時から資産形成を始めていれば、400万円は全然不可能な金額ではありません。
しかし、30歳にとっての「若い頃」は22歳の新卒ですし、40歳にとっての若い頃は30歳の中堅、50歳にとっての若い頃は・・・と言うように、始めるのに遅すぎることはありません。
自分の人生を諦めていない限り、今からコツコツと資産形成をしていくしかありません。
経済的な余裕を持つためにも、計画的に資産形成をしていく必要があると考えます。