昨年住宅を建てたため、今年で初めて住宅ローン控除の適用を受けます。
そこで、どうすれば得になるか?ということを考えていましたが、考えれば考えるほど、住宅ローンは使い方次第でお得度が変わる、と感じ始めました。
今回は住宅ローンで最大限得をするための方法を説明していきます。
なお、一応FP2級資格を有する個人投資家でもありますが、そういった職業で専門的に仕事をしているわけではないので、誤りがある可能性があります。
また、制度の変更等もありますので、必ず現行の制度を確認の上、自己責任でお願いします。
住宅ローンをフル活用すれば、賃貸よりも暫く得ができる
夢のマイホームを買うにあたって、一番の悩みはお金だと思います。
お金が無限にあれば、大豪邸だって建てられます。
夢のマイホームが建って、家族で幸せな生活をしていても、ローンは常につきまといます。
しかし私は、住宅ローンは使い方次第でめちゃくちゃお得な制度なのではないかと感じ始めました。
ただただ何も考えず、負債として返す人と、しっかりと考えて行動していく人とでは、大きく負担が変わってくると思います。
ただし、あくまで低金利時代である現代だから可能な手段ですので、未来永劫同じ考え方ができるわけではありませんのでご注意ください。
変動金利がおすすめ
住宅ローンには固定金利と変動金利があります。
固定金利は一生金利が上がらないため、安定して返済できるものの、金利が高くなります。
変動金利は金利が上昇した場合に返済額が増えますが、ベースとなる金利は低く設定されています。
どちらが良いかは一概には言えませんが、今の経済状況を考えれば、変動金利がおすすめです。
将来のことは誰にも分からないので、最終的に変動金利が得になる保証はありません。
しかし、今後ゆっくり金利が上昇したとしても、そのペースが一定より遅ければ、最終的に固定金利の金利よりも高くなったとしても、返済額としては変動金利の方が得になります。
金利が上昇する時は景気が良くなっている時なので、仮に上昇局面に入っても、急激に上がるほど経済が潤っているとは考えにくいです。
また、現在のマイナス金利はインフレを起こすために実施していることから、金利上昇時はインフレが起こっていることが予想され、その場合、住宅ローンの残高は相対的に減少していることになります。
とは言え、あくまで私の考えですので、リスクが許容できない場合は、固定金利でも悪くないです。
もちろん、変動金利を選ぶ場合は、万が一金利が急上昇した場合の対策を考えておくことは必要です。
そのために、いざと言うときの「繰り上げ分」を用意しておくか、金利が何%になったら固定金利に切り替える、ということを予め決めておくと良いでしょう。
変動金利のリスク=利上げですので、対策としてはインフレ・円安が考えられるので、外国資産(外国株等)を持つのがオススメです。
変動金利はリスクはあるものの、対策さえ考えておけば、そこまで過度に恐れることはありません。
スポンサーリンク住宅ローンは極力長期間で、極力大きい金額を借りる
ローンと付くものは借金でもあるので、借りている間は金利を払わなければいけません。
そう聞くと、金額は小さければ小さいほど良い、と思うかもしれませんが、住宅ローンに関しては逆です。
もちろん、「返済不可能になるほど金額を大きくした方が良い」というわけではなく、「同じ家を買うのであっても、頭金は可能な限り小さくして、可能な限り大きい金額を借りたほうが良い」ということです。
また、ローンの期間も20年、30年と選べますが、可能な限り35年を選んだ方がお得になります。
その分、銀行に支払う金利は増えますが、理由はこれから説明していきます。
住宅ローン控除は年末時点の残高で計算される
住宅ローンの節税として大きいのが、住宅ローン控除です。
住宅ローン控除は10年間(特定期間に建てた場合は13年間)、年末のローン残高の1%、最大40万円(長期優良住宅等の特定のものは50万円)が控除されます。
長期優良住宅等とすると、年末のローン残高が5,000万円以下であれば、ローン残高が大きければ大きいほど住宅ローン控除額は大きくなります。
ただし、給与等、自分の所得から還付される所得税・住民税が足りない場合は、借入金額が大きくても全額控除できない場合がありますのでご注意ください。
住宅ローン控除の仕組みについてはここで全てを書くことはできないので、別途調べてみてください。
参考(外部リンク) : 国税庁ホームページ
住宅ローンを返済していけば年末残高が減るので、少しずつ控除額も減ってくることになります。
初年度の控除額よりも、10年後の控除額の方が小さい、と言うわけですね。
そのため、住宅ローン控除が有効なうちはなるべく返済額を小さくし、その後で繰り上げ返済するのが良いと言えます。
つまり、20年ローンよりも35年ローンの方が毎年の返済額は小さいので、ローン期間は長ければ長いほど、住宅ローン控除を有効活用できると言えるのです。
20年で返したい場合は、住宅ローン控除が終了した後に繰り上げ返済すればよいのです。
※住宅ローン控除の制度は低金利時代にそぐわないとの理由から、見直しが検討されていますのでご注意ください。
スポンサーリンクペアローンで住宅ローン控除を受ける
住宅ローン控除は最大5,000万円ですが、夫婦でペアローンを組むことで、それぞれ5,000万円まで住宅ローン控除を受けることができます。
共働き世帯であれば、ペアローンによって大きく得をすることができます。
また、5,000万円以下の住宅ローンであっても、そこまで所得税・住民税を支払っていない場合、2,500万円ずつに分けることで最大限控除を受けることができます。
我が家もペアローンを活用しています。
参考記事 : ペアローン・連帯債務で住宅ローン控除を最大限受ける計算方法
ただし、育児休業中はそもそも所得税・住民税は取られませんので、控除は受けられません。
その点も考慮して、いくらずつ配分するのが良いか、考える必要があります。
頭金や繰り上げ返済はせず、最大限借りて投資に回す
住宅ローンは驚異的な低金利で借りることができます。
私は0.45%で借りていますが、これだけ低金利であれば、返済せずに投資した方が利回りは高くなります。
住宅ローン控除があれば1%控除されるので、言うまでもなく「借りていた方がお得」ですが、住宅ローン控除が終了した後でも、借りたまま投資した方が得になります。
※税制改正で0.7%の控除となりましたが、逆ざやには変わりありません。
投資の知識がある方なら分かると思いますが、年1%の利回りを出すのは簡単です。
年利3%程度であっても、しっかりと分散・積立をすれば、それなりに安定して出し続けられると思います。
もちろん、投資である以上リスクはありますが、合理的に考えれば、「0.45%でお金を借りて投資をしている」と考えると、住宅ローンは強力な資産形成ツールになり得ます。
万が一金利が上昇した際に、投資を崩して繰上げ返済すれば良いので、変動金利対策にもなります。
私も実際、月10万円を繰り上げ返済したと思って投資に回しているので、下記記事をご参考にしてください。
参考記事 : 月10万円の住宅ローン返済資金で投資信託(インデックスファンド)を購入!成果は?
住宅ローン控除で引ききれない金額は、投資の収益を確定申告する
上記のとおり、住宅ローンは返済せずに資産運用するのがおすすめです。
私は毎年10万円を積み立て投資していますし、その他も、余剰資金があれば住宅ローンの返済には充てず、投資を行っています。
投資をしていれば譲渡所得や配当所得が発生しますが、多くの人は「特定口座 源泉徴収あり」という口座を選んでいるため、何もしなくても20.315%(所得税15%、住民税5%)が源泉徴収されています。
しかし、もし住宅ローン控除が大きくて、給与だけでは所得税・住民税から引ききれない場合、既に源泉徴収されているこれらの利益を改めて確定申告することで、住宅ローン控除の対象とすることができます。
NISA口座の拡張のようなイメージになりますので、年末の住宅ローン残高が多ければ多いほど、この枠も大きくなります。
団信を生命保険代わりにする
多くの人は、団体信用保険(団信)に加入していると思います。
団信とは、契約者が死亡・重度障害状態になった場合に、それ以降のローンを返済不要としてくれる保険です。
団信に入らないと、本人が死亡した場合に、遺族にローンだけ残ってしまいますので、多くの方が加入していると思います。
しかし、この団信が、生命保険の代わりになるのです。
上記の通り、頭金をゼロにして、繰上げ返済もせず、資産運用を行っていた場合、自分に万が一のことがあった際に、遺族はその資産を相続することができます。
住宅ローンはゼロとなりますので、そのままの金額を相続することができます。
もしも繰上げ返済をしていた場合、「住宅ローンがゼロになる」という団信の効果は同じですので、既に繰上げ返済した資金は相続できません。
言い換えれば、団信が生命保険代わりになっている、と言えます。
これも住宅ローンの活用方法の一つだと考えます。
「家を大きくする」のではなく、「住宅ローンを寄せる」イメージ
住宅ローンは多く借りた方が良い、と書きましたが、「じゃあ建築費3,000万円の予定だったけど、5,000万円の家にしよう!」というのは間違いです。
3,000万円の家を建てる時に、1,000万円の頭金と2,000万円のローンではなく、3,000万円全てローンを組んだ方が良い、という話です。
その1,000万円は頭金ではなく、運用を行いましょう、と。
総費用を上げてしまうと、返済できなくなるリスクがあるのでご注意ください。
繰り上げ返済も同じで、繰り上げ返済するお金(余裕資金)があれば、そのお金は運用資金にすべき、と言うことです。
住宅ローン控除の仕組みを考慮しても、この低金利時代であれば、住宅ローンは長く多く借りていた方がお得、ということになります。
感想、まとめ。住宅ローンをうまく活用しよう!
ここまで書いてきた通り、私は銀行が許す限り頭金を入れず、住宅ローンを組みました。
そして親からもらった援助も含め、頭金にはせず、資産運用に回しています。
今現在の状況を考えれば、これが合理的だと思います。
そしてローン本体にボーナス払いは使わず、繰上げ返済分として毎月10万円分、ボーナスから支出し、インデックスファンドに投資しています。
これらのお金は金利の上昇をはじめ、リスクが顕在化が発生した際に一気に繰上げ返済します。
しかし将来のことは誰にも分かりませんので、この戦略が必ず正しいとは言い切れません。
住宅ローンは使い方次第で資産形成の武器になると考えていますが、投資はリスクがありますので、最後は自己責任ということになります。
しかしこれくらいのリスクであれば、許容の範囲内だと考えています。