マイホームにはEV(電気自動車)充電用のコンセントがついています。
このコンセントは家庭用の通常コンセント(100V)と電圧が異なるため、本来は、意図的に設置しようとしなければ設置されているものではありません。
しかし積水ハウス等の大手メーカーの多くでは標準機能として付属しており、気づかぬ間に設置されている、ということも増えてきました。
積水ハウスのSHAWOOD(シャーウッド)で建てた我が家のEV充電コンセントについてご紹介していきます。
積水ハウスはEV充電用コンセントが標準装備
積水ハウスはZEH(ゼロエネルギー住宅)を目指しており、基本的にはそれらに関する設備は最初の見積もりから入っています。
ZEHとは、「外皮の断熱性能等を大幅に向上させるとともに、高効率な設備システムの導入により、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギーを実現した上で、再生可能エネルギーを導入することにより、年間の一次エネルギー消費量の収支がゼロとすることを目指した住宅」のことです。
現代の技術で分かりやすく言えば、「断熱や排熱効率を高め、エネルギーの消費を最小限にし、太陽光で発電したエネルギーで電力を賄う」ようなイメージです。
▲積水ハウスではPanasonic製のEV充電器が標準装備となっている。
そのため、太陽光発電装置も最初から見積もりに入った標準装備ですし、EVを充電するための設備も標準装備になっています。
参考記事 : 屋根に埋め込まれている!?積水ハウスのソーラーパネルが凄い!
しかし個人的には、これらの設備は結果的に必要になる確率が高く、予め用意しておいた方が良い設備だと思います。
これからEVの時代!つけておいて損はない
環境への配慮は近年、国家レベルで注力されています。
特に再生可能エネルギーへの注目度は高く、様々な補助金等の対策がされています。
自動車メーカーも同様で、ガソリンを消費する自動車から、EV(電気自動車)にシフトしており、今後その割合は更に増加、2050年までに電気自動車の割合を100%にするとしています。
本当にその通りに進むかは分かりませんが、電気自動車を手にする機会が増えるのは間違いありませんので、家を建てる時にEV充電用コンセントを設置するのは良い選択だと思います。
我が家は既に電機とガソリンのハイブリッド車を使用していますが、電気で動いている時の静かさは本当に素晴らしく、一度味わったらやめられなくなります。
建築時に設置しておけばコストは安い
将来EVが普及するかどうかは分からないので、建築時は一旦様子見する、という選択肢もあります。
しかし、EV充電用のコンセントは建築時に配線を回すことで、工費を大幅に削減することができます。
後付けすると10万円程度の費用がかかりますが、建築時に設置すればほぼタダ(その他の建築費の中で相殺)のような金額で設置することもできます。
営業マンに、EV充電用コンセントの有無で見積もりの差額を確認してみると良いでしょう。
ただし、仮にタダだったとしても、暫くEVに乗る予定がなければ損する可能性はあります。
例えば、2050年に全ての自動車がEV化し、世の中からガソリンスタンドが消えたとしても、2050年の技術と現在の技術は異なります。
2050年のEVは今の200Vコンセントでは充電できない可能性が大いにあり、折角取り付けたのに一度も使わずに撤去せざるを得ない、という可能性もあります。
未来のことは誰にも分かりませんが、もしもガソリン車に拘りがあり、ガソリンスタンドがなくなる日まで乗り続けるつもりであれば、無理にEV充電設備を設置する必要はないかもしれません。
スポンサーリンク積水ハウスには盗電対策機能はあるが夜間タイマーはない
積水ハウスのEV充電には、盗電対策機能がついています。
機能というと大げさに聞こえますが、単純に200V電源のオンオフ切り替えスイッチと考えていただければと思います。
スイッチをオフにしれおけば、コンセントにプラグを挿しても充電は開始されません。
▲スイッチをオフにしておけば、プラグを挿しただけでは充電は開始されない。
にわかに信じがたいですが、EVをフル充電するとなるとそれなりにお金がかかるので、留守を狙って充電する人がいるそうです。
充電にはそれなりに時間がかかるので、リスクを考えると本当に信じられないですが・・・
しかし長期間家を空けることがあるのであれば、狙われる可能性もあるので、オンオフの機能はあるに越したことはないと思います。
しかしそれ以上に必要なのが、タイマーで充電を開始する機能です。
特にオール電化の場合、夜間電力が安いプランに加入している場合が多く、その電力を使ってEV充電をするのがお得です。
しかしタイマー機能がない場合、挿したらすぐに充電が始まってしまうので、大変不便です。
残念ながら、積水ハウスのEV充電にはタイマー機能がありません。
もちろん、現時点の標準機能であり、今後はタイマー機能が追加される可能性はありますし、注文住宅であれば「タイマー機能を付けて欲しい」とオーダーすれば、それで済みます。
私がそこまで頭が回らなかったのもありますが、可能であれば注文住宅検討時にタイマー機能をお願いしておいた方が良いと思います。
EV充電を実際に活用した難点
自宅にEV充電設備を用意し、実際にEVに乗って充電している私が感じた、EV充電の難点は二つあります。
デメリットというよりも、難点という表現が正しいです。
基本的にEV充電についてはメリットしかなく、あるとすれば設備の設置にかかるコストと保守点検くらいではないでしょうか。
しかし「難点」はあります。
プラグを挿すのは意外と手間。挿し忘れることもある
EV充電は専用のコードをコンセントに繋ぎ、車と接続します。
コンセントの穴は特殊な形状をしているので、穴の形とプラグの向きを確認して差し込みます。
自宅のコンセント側に1回、自動車側に1回、この作業が発生するのですが、これが意外と面倒くさいのです。
▲EV充電は200Vのため、差し込み口は特殊な形状をしている。
作業としては大したことないですし、実際30秒もあれば終わります。
しかし車を停めて、荷物や子供を下した後にこの作業をするのは、心理的には面倒くさいです。
▲自動車側には普通充電用(左)と急速充電用(右)があり、自宅で充電する場合は普通充電用を使用する。
充電することによってそれ以上のメリットを享受できるので、面倒くさくてもやっていますが、将来的にはきっとワイヤレス充電になるのではないでしょうか。
今ではスマートフォンもワイヤレス充電なので、駐車場に機器を埋め込んでおき、ワイヤレス充電をする、ということも不可能ではないと思います。
雨の日は充電しにくい
EV充電は、雨の日でも行うことができるとされています。
しかしコンセントの雨濡れには十分注意し、漏電を防ぐ必要があります。
しかし「十分注意」と言われても、雨の中でプラグを取り出す以上、絶対に少しは濡れます。
自動車メーカー的にはそれくらいでは漏電リスクがないから、「雨の日は禁止」としないのかもしれませんが、電圧も高いので普通に怖いです。
そのため、私は雨の日は充電しないようにしているのですが、梅雨の時期は1週間充電できないこともあります。
うちの車はガソリンでも走るハイブリッド車なので、充電できなければガソリンで走れば良いのですが、完全EV車の場合、充電できないと走れません。
文字通り、細心の注意を払って充電するしかないですが、心理的にはとても怖くてドキドキしますよね。
スポンサーリンク電気充電中の「得している感」は気持ちいい
EV充電は、ガソリン価格と比較すると往々にして得になります。
我が家のEVは4WDですが、電気代300円程度で満タンになり、45km程度走ります。
今のガソリン代は140円程度なので、この電気代は2Lとちょっとです。
電気代で換算すると、充電した場合は1Lあたり20km程度となるのですが、実際のガソリンでの燃費は13〜14km/L程度です。
とは言え、EV充電設備代を考えると、損益分岐点はしばらく先になります。
しかし、EVを充電して、電気で走っている時の「得をしている感覚」というのは、なんとも言えない気持ち良さがあります。
自宅の設備を有効活用している感覚、自分だけが持つ機能で得をしている感覚、これはなかなか良いものです。
ガソリンスタンドに行かなくて良いのはかなり時間の節約になるので、そういう意味でも満足感の向上につながっています。
ガス欠でも40km以上走ることを考えると、家からガソリンスタンドまで行けない、ということはまずありません。
感想、まとめ。家を建てるならEV充電用コンセントはおすすめ!
世の中の流れとして、これから更にEVの割合は増えてきます。
バッテリーの性能も大きく向上し、将来、世の中からガソリンスタンドが消える日も来ると思います。
自宅に設置するEV充電設備は、家を建てる段階で取り付ければ安く済みます。
そのため、今からマイホームを検討している方は、EV充電設備は設置することをおすすめします。
しかし、全ての自動車がEVとなるような将来、今の充電設備が現役とも思えません。
そのため、拘りをもってガソリン車を選んでいるような人は、わざわざEV充電設備は必要ない、という考え方もできます。
もしガソリンスタンドがなくなり、EVしか選べない時代が来ても、その時の最新設備を導入した方が良いと思います。
しかしガソリン車に強い拘りがないのであれば、今現在EVに乗っていなくても、充電設備は設置しておくことをおすすめします。
将来のことは誰にも分からず、操作できるのは自分の意思だけなので、ガソリン車に拘る確固たる意思がない限り、とりあえず充電設備を設置するのが最良の選択ではないでしょうか。