2021年、楽天モバイル事業の業績悪化に伴い、楽天は様々なサービスを改悪しました。
楽天市場のSPU(ポイント還元)の改悪が最も影響の大きい改悪でしたが、損得以上に嫌だった改悪は投信保有ポイント(投信マイレージ)の改悪でした。
投資信託を保有するだけで毎月少しずつポイントを獲得できていたものが、一定の保有額を超えたら一度だけポイントが貰える仕組みに変わってしまったのです。
当時これを知った時はかなりショックでしたね。
楽天証券の投信保有ポイント(投信マイレージ)がついに復活!
一度は廃止となった投信保有ポイントですが、今般、ついに復活しました!
インデックスファンドの投資信託は一度買ったら売らないですし、配当金や分配金も出ません。
そのため、どれだけお金を積んでも増えるのは数字だけで、日常生活には全く恩恵がありません。
しかし月100円でも200円でも貰えれば、月に1本ビールを飲むことができます。
それが300円、400円、500円とだんだん増えていくのは、額が大したことなくても嬉しいものです。
廃止はモチベーションに大きく繋がる改悪
投信保有ポイントは投資信託の積立という単純作業の中で、数少ないモチベーションを維持する仕組みでした。
投資信託を買うということは、売却するその日まで、そのお金は人生から切り離されるということです。
対照的に株主優待を貰ったり、配当を贅沢に使ったりする場合は、投資したお金で少なからず人生が豊かになっています。
そういった実生活への恩恵がない投資信託において、資産が増えれば増えるほど貰えるポイントが増える投信マイレージは、大きなモチベーションとなりました。
貰ったポイントを再投資したら同じことですが、毎月楽天ペイでお酒やお菓子を買うだけでも、投資をしていることによって得られる幸福と言えます。
微々たるものでも、ゼロはモチベーションに大きく関わります。
投信保有ポイントはS&P500とオルカンの2種類
楽天証券で投信保有ポイントが貰えるのは、S&P500とオルカンの2種類です。
e-maxis slimではなく、「楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンド」と「楽天・S&P500インデックス・ファンド」という、楽天のファンドを立ち上げています。
▲投信保有ポイントの詳細。信託報酬(手数料)はe-maxsis slimと同じで、業界最低水準。
貰えるポイントはオルカンで年率0.0175%、S&P500で年率0.0341%です。
ポイントは評価額に対してこの利率をかけるので、値上がりすれば投信保有ポイントも増えていきます。
含み益は幻と言いますが、貰ったポイントは確定なので、わずかですが含み益を喜ぶ理由ができます。
スポンサーリンク貰えるポイントは大したものではないので注意
この記事内でも、ポイント額について「大したことなくても」「わずかですが」という表現をしてきましたが、貰えるポイントはあまり多くありません。
投信保有ポイントはファンドによって利率が異なるのが一般的です。
販売会社の取り分の中からポイント還元するになるので、販売会社が儲かるファンドほど還元率は高くなります。
しかし裏を返せば、低コストのファンドであればあるほど、投信マイレージで貰える額は少なくなります。
例えば、楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンドは年率0.0175%ですが、これは100万円投資して年間175円ということです。
月額に直すと14.6円となり、100万円程度の投資では何も買えないことが分かります。
▲ポイント還元率は低いので、過度な期待は禁物。
楽天・S&P500インデックス・ファンドはオルカンの倍近い0.0341%の利率がありますが、それでも微々たるものです。
私は1,500万円ほど投資信託を保有していますが、これを楽天・S&P500に投資したとすると、年間5,205円となり、月額で433円貰えることになります。
400円あれば家でビールとおつまみが楽しめるので、毎月の不労所得としてあるに越したことはありません。
貸株などと違ってリスクは完全にゼロなので、貰えるだけありがたいです。
SPUにも影響があるので、楽天ユーザーはメリットあり
ここには書いていませんが、楽天証券はSPU対象となるため、楽天市場ユーザーには楽天で投信を購入するメリットがあります。
SPUとは楽天市場のポイントアッププログラムのことで、楽天証券で投信を購入することで、0.5倍となります。(細かい条件はありますが)
楽天市場で10,000円買い物をすると50ポイント貰えるので、買い物をするならあったほうが得です。
ふるさと納税を楽天市場でする時など、大きな買い物をする際はポイントアップの積み重ねで意外と変わってきます。
FIREを目指すような人にはありがたい制度
投信保有ポイントはそもそも手数料の低い投信に適用されているので、貰えるポイント数はわずかです。
しかし資産が積み上がってくればくるほど、貰えるポイントは増えていきます。
特にFIRE目指して頑張っている方は、かなりの額を貯めようとしているのではないでしょうか。
例えば1億円なら毎年3万4千円貰えるので、完全な不労所得としては有り難いです。
これが3年続けば10万円になりますので、FIREを目指して生活水準を上げてない人であれば良い贅沢になります。
金額がいくらかによりますが、オルカンやS&P500の投信だけで資産を構築しようとしている方にとっては、バカにならないのではないでしょうか。
▲楽天ポイントの還元。SBI証券と類似内容だが、業界最高クラス。
スポンサーリンク感想、まとめ。新NISA保有でポイントが貯まるのはアツい
今回楽天証券が投信保有ポイントを復活させたのは、明らかに2024年から開始する新NISAを見据えています。
新NISAは期限がないので、かなり長期間で保有する人が多いと思います。
投信保有ポイントも20年、30年積み重ねれば大きな違いになります。
ポイントサービスが永久にあるとは限りませんが、長期保有を予定している場合はモチベーションに繋がりますので、この改良は嬉しいポイントです。
新NISAで1,800万円をS&P500に入れ、30年持てば投信保有ポイントは184,100円分貰えます。
その間、更に値上がりすることを考えると、最終的に貰えるポイントは未知数です。
利率はそれほど高くありませんが、完全ノーリスクなので、貰うに越したことはあひません。
投信マイレージだけで何かが変わるものではありませんが、こういった手間を惜しまず、取れるものを取りに行く姿勢を持つことは、人生を振り返った時に大きな違いを生み出していることでしょう。