最近人気のレバナス(レバレッジNASDAQ)。
NASDAQの指数に対して2倍の値動きをするもので、米国市場の強さを最大限享受することができます。
しかしレバレッジ型には当然リスクがあり、それを理解しているかどうかは重要です。
投資初心者に向けて、なるべく分かりやすい言葉を使って説明していきます。
一般的には、レバレッジ型は長期投資に向かないと言われる
レバレッジ型の投資信託は、別名ブル型とも呼ばれますが、指標の2倍の値動きをするものです。
レバナスであれば、アメリカのNASDAQという指数の2倍の動きをする投資信託です。
ベア・ブルファンドの中には3倍や4倍の値動きをするものもあり、値上がりした時にはより大きな恩恵を得ることができます。
過去を見ても、レバナスは長期投資において非常に高いパフォーマンスを残しており、人気があります。
しかしNASDAQが特別強いだけであって、一般的な投資の世界においては、レバレッジ型の投資信託は長期投資に向かないと言われます。
これには「減価」という理由があります。
レバレッジ型の減価の考え方
ざっくりとした説明になりますが、初心者の方にも分かりやすく減価のイメージをお伝えします。
例えば、NASDAQ指数が1,000ドルの時に、レバナスを100万円購入したとします。
翌日、NASDAQが+10%上昇し、1,100ドルになりました。
レバナスは2倍上昇するので、+20%となり、自分のお金は120万円となりました。
さらに翌日、NASDAQが9.09%下落し、1,000ドルに戻ったとします。
※注意点 : この時、NASDAQは1,100ドルになっているので、10%下落すると990ドルになり、元には戻りません。
レバナスは2倍の18.18%下落するので、98万1840円となります。
つまり、NASDAQは購入時の1,000ドルを維持しているのに、レバナスに投資したお金は減ってしまったということになります。
実際はもう少し複雑ですが、ざっくり言うとこれが減価の考え方です。
スポンサーリンク手数料もインデックスファンドよりも高い点には注意
長期投資においては、手数料も重要な要素となります。
皆さんもインデックスファンドに投資する場合、手数料を比較すると思います。
私は基本的に信託報酬0.2%以下を目安としており、多くは0.1%程度の信託報酬です。
インデックスファンドであれば大抵そのくらいだと思います。
信託報酬とは、持っているだけで取られる手数料のことです。
信託報酬0.1%のファンドに100万円投資していたとすると、1円も値動きがなかったとしても(あり得ませんが)、毎年1,000円が手数料として取られます。
レバナスは信託報酬が0.99%となっており、インデックスファンドと比較すると高くなっています。
※iFreeレバレッジNASDAQ100の場合
とは言え、アクティブファンドと比べれば十分安いので、致命的な欠点というわけではありません。
逆に増価することもある
もちろんこれだけリスクがあるのだから、大きなリターンを得ることもできるのがレバレッジ型です。
レバレッジ型のファンドは、簡単に言えば下落局面ではインデックスファンドの2倍よりも大きく下落します。(※急激な下落の場合は2倍よりも減らない場合もあります)
そしてレンジ相場(同じくらいの価格帯を行ったり来たりする相場)でも、その価値は減ります。
しかし逆に右肩上がりの上昇相場においては、2倍以上に増価します。
先程同様、NASDAQが1,000ドルの時にレバナスを100万円購入したとします。
翌日、NASDAQが10%上昇して1,100ドルになったとすると、レバナスに投資したお金は120万円(+20%)になります。
そして翌日、NASDAQが9.09%上昇し、1,200ドル(+20%)になったとします。
この場合、レバナスは2倍の18.18%上昇しますので、141万8160円(+41.816%)になります。
NASDAQが20%上昇したのに対し、レバナスは41.816%上昇しました。
2倍以上の成果が出ていますよね。
通常、株式相場は上がったり下がったりしながら、緩やかに上昇していきますので、これが一般的に「レバレッジ型は長期投資に向かない」と言われる理由です。
しかしNASDAQやS&P500のように、長期でも上昇し続ける銘柄は、2倍以上の恩恵を受けることができるのです。
つまり、レバ型ファンドが長期投資が向かないわけではなくて、投資先が正しければ何倍にも利益が出るが、投資先を誤れば何分の一にもなるハイリスクハイリターン商品なのです。
リスクとは振れ幅のことなので、下がるだけでなく上がることも指しますので、レバレッジがかかればリスクが上がるのです。
スポンサーリンクレバナスがNASDAQのインデックスファンドを超えるには?
さて、単純に2倍の利益と損失が出るわけではないことは分かったと思いますが、レバナスがNASDAQを超えるにはどのくらいのパフォーマンスが必要でしょうか。
この方のブログが非常に分かりやすかったので、引用させていただきます。
σ = 0.14とします。これは、QQQが安定して上昇した2011年から2020年までの10年間のリスクに近い数値です。
(中略)
よってσ = 0.14の場合、QQQの年率平均リターンは4.8%以上あればよいことになります。
引用出典 : カガミルのブログ
σというのはリスク値ですが、簡単に言えば「過去の上昇相場を参考にシミュレーションしているので、問題はないですよ」ということです。
また、QQQというのはNASDAQに連動するETF(上場型投資信託)のことなので、まぁNASDAQ指数だと思っておけば良いです。
つまり、NASDAQが年平均4.8%以上成長し続ければレバナスはNASDAQのインデックスファンドを超え、それよりも低ければレバナスはNASDAQのインデックスファンドに負けるということです。
過去を見るとNASDAQの成長は4.8%を超えており、投資先として優秀であることが分かります。
最終的に1%でも上がっていれば、レバ型は2%上がっているというわけではない
投資初心者に必ず覚えておいてもらいたいのが、10年後にNASDAQが少しでもプラスになっていれば、その2倍プラスになるのがレバレッジではない、ということです。
自分が売却する時に、購入時と比較して、NASDAQ指数が1%上昇していたらレバナスは2%上昇している、というものではありません。
もしもこの点を勘違いしてレバナスを購入しようとしている方がいたら、少し立ち止まって考えてみましょう。
上述の通り、レバナスはハイリスクハイリターンなだけで、必ずしも長期投資に適していないわけではありません。
ベア・ブルファンドは「一般的には」長期投資に向きませんが、NASDAQのように強い指数であれば大きな利益を上げることができるでしょう。
上昇相場では増価が続き、とんでもない複利の力を発揮してくれます。
重要なのは、この考え方を知った上で、自分のリスク許容度に合っているかをしっかりと考える必要があるということです。
NASDAQのパフォーマンスは圧倒的に高く、レバナスに投資価値がある
NASDAQは今後も5%超のパフォーマンスが出せるのか?と言うのは、誰にも分かりません。
しかし過去の実績や現在の相場を考えると、NASDAQには、長期的にも5%超のパフォーマンスを出し続ける力があると思います。
つまり、レバナスはNASDAQのインデックスファンドよりも高いパフォーマンスを出し、資産形成に大きく寄与してくれる可能性があります。
そもそも我々のような一般的なサラリーマンが、僅かな給料で資産を爆発的に増やしたいなら、その分リスクを取ることは決して悪手ではありません。
レバナスは、そのリスクを取りに行く価値が十分にある投資先だと思います。
しかし大きな損失を被る可能性があると言うことも、同時に理解しながら投資する必要があります。
また、NASDAQのような異常に強い指数以外のベア・ブルファンド(日経平均等)を中長期で保有する場合は、今後の値動きを予想して、「なんとなくここから上がりそう」でホールドするのは危険です。
感想、まとめ。投資初心者はリスクを理解して投資しよう!
最近人気のレバナスについて、投資初心者向けに書いてみました。
結論、レバナスは投資先として優秀で、将来的に大きな成果を残してくれる可能性は十分にあります。
しかし当然大きなリターンには大きなリスクがあり、レバ型ファンドの場合は単純に「2倍のリスク」というわけではありません。
この事実を認識しながらレバナスに投資しているかどうかで、今後の判断が変わってくる場面があるかもしれません。
投資初心者の方は、ぜひご参考にしてください。