投資信託やETFで人気の高い、S&P500。
随所でおすすめされている理由が、「過去数100年、200年のパフォーマンスを見ても、S&P500へ集中投資が結果的に良く、これからも期待できるから」というのが理由です。
しかし私は、S&P500ではなく、全世界株式(オール・カントリー)への投資をメインとしています。
S&P500も全く保有していないわけではないですが、私が全世界株式に投資をする理由を解説します。
我が家のメイン投資先は全世界株式(除く日本)
我が家はスポット買いも含め、月に約25万円程度投資をしています。
うち15万円〜20万円が投資信託やETFですが、半分以上を全世界株式(除く日本)に投資しています。
除く日本と通常(含む日本)の全世界株式がありますが、我が家は除く日本を選択しています。
(除く日本がオルカンと言えるかは一旦置いておいて、ここでは便宜的にオルカンと表現します。)
そもそも除く日本を選ぶ理由としては、過去のパフォーマンスを見ても除く日本が良く、今後も少子高齢化等から日本のパフォーマンスは上昇しないと見込まれる、というのもあります。
しかしそれ以上に、日本株は個別株もやっていますので、ポートフォリオ全体に占める日本株の割合を減らしたいという理由が大きいです。
基本的には分散が重要だと考えているため、日本株も含めて購入すべきだと思いますが、投信では日本以外の資産を中心に買うことでバランスを取っています。
投資先として人気の高いS&P500
しかし世の中を見ると、オール・カントリーよりもS&P500の投信やETFの方が人気があります。
私の周囲にも、S&P500だけしか購入していない、という人もいます。
S&P500だけでもかなり分散が図られているので、その方針でも問題はないと思います。
そしてその人が投資を始めてから今までのパフォーマンスも、オール・カントリーよりもS&P500の方が上でしたので、今のところ、結果的にも投資先として正解だったと言えます。
そのため、S&P500に重点的に投資するのは理に叶っていますし、正しい選択でした。
しかしそれでも私は、オール・カントリーをメインに購入しています。
スポンサーリンク過去のパフォーマンスはS&P500の勝利
長期的に見れば、資本主義経済下において、株価は少しずつ上昇していきます。
もちろん全ての企業の株価ではなく、市場全体の話です。
しかしどの市場に投資するかでパフォーマンスは大きく変わってきますので、投資先の選択は重要です。
上述の通り、これまでのパフォーマンスはオール・カントリーよりもS&P500の方が上でしたし、これからもそうなる確率は高いです。
もちろん、そうならない確率もそれなりにあります。
未来のことは誰にも分かりませんので、過去を分析して将来を予測して、投資することになります。
そういう意味で、S&P500は適切な投資先ですし、最も期待できる投資先と言えるかもしれません。
それでもオール・カントリーを買う理由
ここまで「S&P500をおすすめする記事だっけ?」と思われるかもしれませんが、あくまで私が購入するのはオール・カントリー株式です。
投資信託であればeMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)です。
では、なぜそこまでS&P500を評価するのに、オール・カントリーを購入しているのでしょうか。
S&P500はカントリーリスクがある
個別企業の株を買う場合、その企業が倒産したら終わりです。
Appleは業績も良く、世界を代表する企業ですが、20年後にどうなっているかは分からないので、Apple一社に投資するのは危険です。
S&P500にはAppleも含まれますが、他にもアメリカの有力企業が多数含まれているので、Appleが倒産してもS&P500は消滅したりしません。
しかしアメリカ全体の業績が悪化した場合、S&P500のパフォーマンスは悪化します。
オール・カントリーにはアメリカも含まれますが、アメリカの景気が悪化しても影響は限定的で済みます。
これまでアメリカは力強く成長してきましたが、10年単位で見れば、成長が悪化したスパンもありました。
また、日本と同じように少子高齢化の進行、中国・ロシアとの関係悪化、その他未知のリスクが多数あります。
かつて「ジャパンアズナンバーワン」とされた日本株が低迷したように、これまで幾度となく困難を乗り越えたアメリカであっても、ここからの20年、30年間が安定した成長を遂げられるかは分かりません。
S&P500に全額投資をすることは、アメリカの成長に全財産を賭けることになるので、そのリスクを忌避して、私はオール・カントリーを選んでいます。
オール・カントリーであっても、株式自体が低迷したら終わりですが、より分散が図られた方が安定性は増します。
既に米国株バブルを懸念する声もある
高いパフォーマンスを誇るS&P500ですが、一部から米国株バブルを懸念する声が上がっています。
確かに米国株の伸びには目を見張るものがありますし、PERも高水準となっています。
実際にバブルかどうかは分かりませんが、そういった声が挙がるということは、リスクに感じる人が現れる水準にはなっている、ということです。
私も米国株はまだまだ伸び続けると思いますが、自分の人生を賭けた資産形成ですので、可能な限り分散したいと考えています。
新興国が伸びる可能性も大いにある
米国株がこれから伸び続けたとしても、それをアウトパフォームする形で新興国株が伸びる可能性もあります。
過去にも、10年程度のスパンであれば、新興国株が米国株をアウトパフォームした期間がありました。
自分の投資期間が20年だとすると、その10年で大きな差が出てきます。
もちろん、10年ではなく、20年、30年と新興国が伸び続ける可能性もあります。
S&P500では米国以外の恩恵は受けられませんが、オール・カントリーであれば、新興国を含めた全世界の成長の恩恵が受けられます。
国家間の競争でどこが勝者となっても恩恵が受けられる、それがオール・カントリーです。
スポンサーリンク自分でリバランスができるなら話は別
ただし、買ったらもう放置だけで何もしない!というのではなく、情勢を見て売買し、リバランスができるのであれば話は別です。
現状は世界の株価はアメリカの株価に影響を受けやすく、アメリカが下がれば世界も下がるからです。
そもそもオール・カントリーは加重平均のため、半分近くも米国株が占めています。
さらに他の国々も影響されるとなると、結局オール・カントリーも米国株が落ちれば落ちます。
しかしアメリカの成長が失速し、その他の国が成長してきて、情勢が変わった場合は自分でリバランスをしなければいけません。
言葉で言うのは簡単ですが、これは非常に難しいと思っています。
長期投資においては基本的にはホールド一択であり、下がったから売るというのは「狼狽売り」に過ぎません。
かと言って、狼狽売りと戦略的な売却が見極められるかと言うと、そんな簡単な話ではありません。
結局、今の日本のようにダラダラと下がる相場でも、ダラダラと持ち続けるしか出来ないケースが多いのです。
オール・カントリー株式でも5%超のパフォーマンスが出ている
米国株だけのS&P500よりもオール・カントリーの方が分散されている分、リスクは小さくなります。
しかしそれでもS&P500が人気なのは、S&P500の方が成長率が高く、パフォーマンスが良かったからです。
しかしオール・カントリーであっても、決してパフォーマンスが悪いわけではありません。
過去100年程度を見ると、S&P500の年平均利回りが7%弱だったのに対し、オール・カントリーは5%強のパフォーマンスが出ています。
この差が決して小さいわけではないですが、リスクを考えれば決して悪いパフォーマンスというわけではありません。
S&P500よりも分散し、かつこれだけのリターンが期待できれば、私の資産形成においては十分です。
お金は、いくらあれば十分ということはありません。
5,000万円で十分な人もいれば、1億円で十分な人もいますし、2億円でも足りない人もいます。
結局、どれだけお金があってもその人の生き方や価値観によるものなので、何%の年利で幸福になれるかは自分自身で決めるべきです。
感想、まとめ。リスク許容度次第で使い分けよう
安定した資産形成において分散投資は鉄則ですが、オール・カントリー株式であれば、これ一つで全世界の株式に分散投資ができます。
アセットの分散(債券やコモディティ等)も必要と言われますが、長期的に見れば、時間分散をした株式は安定的に成長が見込める資産と言えると思います。
もちろん、リスク軽減のためにはアセットの分散もした方が良いのは間違いないですが、私の場合はリスクを取ってほとんどを株式で運用しています。
投資は自己責任なので、これが自分自身が理解・納得する投資法というわけです。
私のリスク許容度においては、毎月オール・カントリー株式に積立、くらいの運用がちょうど良いと考えています。
S&P500とどちらが良いか、という点は本当に人それぞれとなります。
S&P500に集中投資をすると言うことは、アメリカの成長に全てを賭けるということです。
しかし現状、オール・カントリー株式よりも高い収益率が期待できるため、リスクとリターンを考えて、どちらを選ぶか決めると良いでしょう。
結果は誰にも分かりませんので、自分の人生に必要なお金と価値観、それを築くのに必要な利回りを計算した上で投資をするのがベストだと思います。