大抵の人が、一生に一度の買い物となるマイホーム。
マイホームの購入を考えることは、ある意味、「一生」という意味を考えさせられる瞬間かもしれません。
そんなマイホームなので、自分の経済力や人生設計の中で最大限のものを建てたいと思うのは当然のことです。
しかしそう思えば思うほど、結局「正解」というものがなく、何が良いのか分からなくなります。
耐震、快適性、気密性・・・重要な指標は多々ある
ハウスメーカーや工務店を検討してモデルハウスに行くと、営業マンは自分の会社の建物が最良の選択であると営業してきます。
耐震性、快適性、気密性、構法、デザイン力、素材、etc。
指標は様々あり、どの企業も自社の素晴らしさを説明してくれます。
しかしインターネットを調べると、どの企業も悪口ばかりです。
リンク : ハウスメーカー・工務店に関する、ネットの口コミがあまり役に立たない理由
結局何が良くて何が悪いのか、何を選んでもマイナス要素があって、決めきることができません。
誰がどう見ても素晴らしく、それが値段に応じて右肩上がりになっていく。
そんな単純な仕組みであれば良かったのですが、現実はそうもいきません。
どの指標を見ても三十年後は分からない
営業マンも仕事なので、自社の家を売るために最大限の努力をします。
誇大表現をする人もいれば、他社や他の工法のネガティブキャンペーンをしてくる人もいます。
インターネットの口コミなんて更に無責任なので、もっとデタラメな情報があふれています。
マイホームを建てるにあたって難しくしているのは、35年後は誰も分からないという点です。
大手であっても中小であっても、リスクの大きさに違いはあれど、35年後に会社が残っていない可能性もあります。
メンテナンスフリーと言われていた素材にヒビが入っているかもしれません。
高いお金を払ったのに施工不良で悔しい思いをするかもしれませんし、安いものを選んで「安かろう悪かろう」であったことを後悔しているかもしれません。
大手だろうと中小だろうと、未来に対するリスクは絶対になくならないのです。
いざ災害が起こった時に安全なのは重要だが、いざ災害が起こらないと分からない
耐震強度についても然りです。
うちの構法は耐震性が高くて安心だ!と、どこのメーカーも言ってくると思います。
地震が起こった時に家が損害を受けずに立っている、ということは、家族が住む家として非常に大切です。
いざ地震が起こった時に家族を守ってくれる家であることは、マイホームに求める重要な機能です。
しかしいざ地震が起きたときにどうなるかは、いざ地震が起きてみないと分からないのです。
いざ地震が起きずに一生が終わるかもしれませんし、そうであるに越したことはありません。
スポンサーリンク更に担当した大工さんの技術によっても左右される
更に言えば、同じハウスメーカーの家でも、建築する大工さんの技量にも大きく左右されます。
モデルハウスで耐震実験を繰り返したとしても、自分の家の構造計算書をもらったとしても、こればかりはどうしようもありません。
目に見えて分かる施工ミスであれば追求することもできますが、何十年後かに欠陥が出てくることもあれば、地震が起きた際に発覚することもあります。
もちろん、そういった大工の質といったリスクはどの家にも共通することです。
そういったリスクを考えると、一生に一度の買い物だからと言って、「絶対」や「確実」はないということが分かります。
自分の家は地震に強い!という安心感を持って住めるか
結局のところ、災害はいつ起こるか分かりませんし、起こらないまま一生を終えるかもしれません。
だからと言って対策をしないわけではないですが、災害に強いといくら言われていても、いざ起こってみないと分からないのは上述のとおりです。
だとすると、災害に強い家を選ぶメリットは「実際に起こった時に守ってくれること」の他に、「自分の家は地震に強いから安心だ」と思いながら生活できることだと思います。
結果論でしかないですが、幸運にも人生において一度も災害に合わなかった人にとっては、寧ろ「安心感を持って住めるか」の方が重要指標であるのです。
だからこそ、「とにかく安い家でも気持ちで安心すれば良い」というわけではなく、正解のないマイホーム検討の中で、様々な企業を比較して、自分が最も安心だと思った家を選べば良いのです。
スポンサーリンク自分の家は最高の家だ!と満足感を持って住めるか
安心感と同じくして、大切なのが満足感です。
様々な構法があり、間取りがあり、デザインがあり、家具がある中で、どちらが優れているかなんてが値段に正確に比較するのは困難です。
結局は自分がいかに納得でき、満足したものが作れるのか、が大切です。
それは自分の感性なので誰かにどうこう言われるものでもありません。
しかし共通して言えるのは、時間をかけて吟味し、比較し、悩んで出した答えだったかどうかによって、満足度は変わってきます。
だからこそ、スケジュールにはある程度の余裕をもって、満足いくまで考え抜くことが大切なのだと思います。
正解のない住宅建築において、最後は自分の頭で正解を判断する
安心感や納得感、満足感を高めるためには、やりすぎと思うくらいの情報収集が必要です。
安心感や満足感は、そう思おうとしても無理矢理どうこうなるものではありません。
それは感情なので、自然と湧き出るものなのです。
では、自然と安心感や満足感を湧き出させるためには、どうすればよいのでしょうか。
それは自分心ゆくまで情報収集し、実際に足を運んで実物を見たり、営業マンの話を聞いたり、口コミや評判を見たりして、ある種の疲れを感じるくらいの情報を基に、自分なりの判断を下せば良いのだと思います。
時間が足りなかったり、情報が不足していたりすると、後で比較して後悔することになります。
新たに生まれる技術は仕方ないですが、それでも当時においては最高の選択をしたという自信には変わりありません。
情報収集ばかりでは先に進みませんが、「もう十分だ」と思うくらい勉強して、自慢のマイホームを建てたいところです。