現在マイホームの購入にあたって、最大の試練となるのが間取り決めです。
試練と言っても、間取りを作るのは本当にワクワクするし、家を作る中で一番楽しいイベントです。
しかし間取り造は家の構造や建築と異なり、自分自身で変更し、決めることができるものです。
だからこそ、失敗したときに最も後悔するポイントにもなります。
そのため、間取り決めは注文住宅の中で一番時間を使うべきポイントではないかと考えています。
間取りの打ち合わせは任せきりになりがち
注文住宅で必ず通る手順は、営業マンや建築士、設計士の方に要望を伝え、間取りを書いてもらう流れです。
打ち合わせの際に、こういう部屋が欲しい、こういう用途で使いたい、という要望を伝え、次回打ち合わせ時にそれに対応した間取りを持ってきてもらうのです。
しかしこの方法だと、微調整が非常に難しくなります。
要望を伝えて改修案が出てくるまで、1週間程度かかるからです。
そこからまた要望を伝えると、更に1週間かかります。
これでは時間がかかりすぎるため、結局微調整はできずに終わってしまうこともあります。
また、営業マンや建築士、設計士の方が提案してこない間取りは、そもそも選択肢に出てこないということもあります。
相手はプロなので頭の中に知識は入っていますが、この人にはこういう間取りがあっている、というところまで、完璧に提案するのは困難です。
生活リズム、仕事、価値観、人によって異なることばかり
設計士の方は間取りを作るプロなので、相当なバリエーションの間取りを把握しています。
しかし時間が限られている以上は、基本的には汎用的に、皆が使いやすい間取りを提案してくると思います。
もちろんそれをベースに作ることが大切ですが、人それぞれ価値観や考え方、仕事、生活リズム等が異なるため、適切な間取りも異なります。
それを営業マンに伝える必要があるのですが、打ち合わせ時に伝え忘れたこと、思いつかなかったことはまた次週の打ち合わせか、もしくは反映されないことになります。
いくら設計士の方がプロだと言っても、自分自身が要望を思いつかなければ伝えることができません。
自分のニーズは自分でも理解していない
更に言うと、自分自身ですら、自分の生活スタイルや価値観に対して、どのような間取りが適切か把握していないこともあります。
簡単に言うと、自分が家に求めるものが何なのか、自分自身もよく分かっていないのです。
自分自身ですらよく分かっていないので、当然、打ち合わせ時にそれを伝えようとしても出てきません。
では、どうやって自分自身の潜在的ニーズを顕在化させるのでしょうか。
それは、自分が思い描く理想の家を実際に書いてみて、整理することです。
箇条書きにして整理するのでも良いかもしれませんが、個人的におすすめなのは、自分自身で間取りを書いてみることです。
スポンサーリンクまずはもらった図面通りに、間取りを書いてみよう
自分自身で間取りを書く、と聞くと難しそうに感じるかもしれませんが、実は簡単に間取りが書けるソフトやアプリがあります。
スポマートフォンアプリでも出ていますし、PCのフリーソフトでも出ています。
私は、「sweet home 3D」というソフトをダウンロードしてみました。
(安全性等は分かりませんので、自己責任でお願いします。)
最初はスマートフォンアプリで間取りを作ろうと思い、app storeからダウンロードしてみましたが、やはりスマートフォンでは画面が小さいのでやりにくいです。
そのため、PCソフトをダウンロードして使うのがおすすめです。
(タブレットがあれば状況は変わったかもしれません。)
これはスマホアプリの画面ですが、このように間取りを作っていくことができます。
何のソフトでも良いのですが、間取り作成ソフトをダウンロードしたら、まずは提案していただいた間取りをそのまま作成してみましょう。
1時間~2時間くらいかかりますが、良い家のため、苦労も必要です。
こうした手間を惜しむと、一生の家なのに後悔することになります。
自分で間取りをいじりながら、希望を絵にしてみる
提案してもらった図面通りの間取りを作ったら、そこからパズルのように動かして、自分の希望を叶えてみましょう。
たとえば、提案してもらった図面では玄関が小さいので、大きくしたい。
しかし玄関を大きくすると、部屋を小さくしなければいけない。
子供部屋を小さくするのは可哀そうだから、寝室を小さくする、等、色々な工夫が出てきます。
あーだこーだ悩んでいるうちに、自分が本当に希望する間取りはどのようなものか、自分自身の中で整理することができます。
どこまでいっても「住んでみてはじめて分かること」は出てくると思いますが、一度しかない家づくりなので、それを最小限に抑えるためにできることはやっておくべきだと思います。
3Dで家を見られるソフトがおすすめ
私のダウンロードした「sweet home 3D」がたまたまそうだったのですが、間取り作成ソフトは3Dで見る機能がついているものがおすすめです。
元々この機能を目的にダウンロードしたわけではありませんでしたが、使ってみたら大変便利でした。
人間の視点に立って動かすこともできるので、実際に自分が生活することをイメージしやすいです。
図面を見慣れている人なら良いですが、立体化することで非常に理解しやすくなります。
なお、繰り返しになりますが、「sweet home 3D」は私がたまたまダウンロードしたソフトなので、安全性等は分かりかねます。
私は問題ありませんでしたが、自己責任でお願いします。
構造上不可能な部屋もあるが、気にしない
当たり前ですが、自分で間取りを書いたとしても、それが実現できるかは分かりません。
それは構造上の問題であったり、予算上の問題であったり、様々です。
しかし別にそんなことは気にする必要はありません。
実際に建てることができるかどうかは関係なく、自分がどういう理想を持っているのか、今の間取り案で満足できないかもしれない点はどこなのか、それを整理することが大切です。
もしかしたら、自分があまり好きではない間取りも、構造上や他の部屋とのバランス上、どうしようもないかもしれません。
しかしそれを知っていて、深く検討した上で妥協点として諦めるのか、後から気づくかによって満足度や納得は大きく異なります。
個人的な意見ですが、この「納得感」は非常に大切だと思っています。
リンク : マイホームの建築で最も重要な指標は「納得感と満足感」だということ
後から知った場合は、実際に構造上そういう造り方ができるかを深く検討しないので、ただ後悔することになります。
普通リフォームでも考えない限り、既に建てた家の間取りに悩んで、構造計算をしてもらう、ということはあり得ないと思います。
スポンサーリンク限られた時間で伝えるだけでは不十分
設計士の方や営業マンの方は知識が豊富なので、素晴らしい提案をしてくれます。
大前提としては、そのスキルを信頼し、自分の希望を伝えながら間取りを作成していきます。
しかしたった数回×数時間の打ち合わせで、全てを伝えることは不可能です。
もっと長い時間考えなければ、自分が本当はどのような間取りが良くて、どこに不満足な点があるのか、頭の中で整理できません。
自分の思いを、自分の中ではっきりさせるためにも、自分自身でも間取りを作成してみることはとても大切なことだと感じています。
感想、まとめ。家は一生の買い物。面倒だが手抜きはしない!
間取りのフリーソフトで、間取りを作るのは結構面倒くさいです。
仕事終わりで疲れている時に細かい作業をするのは、本当に疲れます。
そんなことをしなくても、設計士の方に要望を伝えれば間取りを作ってくれますし、そのための費用も払っています。
しかし、それでも時間をかけて、自分自身で間取りを作る価値はあると思います。
やらなくても良い家は建つので面倒くさいですが、一生に一度の買い物なので、たとえ手間でも自分で間取りを作ってみることをおすすめします。