注文住宅を検討するにあたって、世の中の平均を知ることは検討の入り口になります。
自分の収入が世の中と比較してどうなのか、という点は、自分自身がよく分かっていると思います。
しかし家の広さはどれくらいが平均で、住宅にいくらかけるのが平均なのかについては、初めから知っている方はいません。
しかしそう思って「注文住宅 延べ床面積 平均」等と調べてみると、他の人の家の広さに驚きます。
私も第一印象は「えっ、世の中の家ってこんなに広いの!?」という感想でした。
ハウスメーカーの営業マンは、最近はもっと狭いと言っていたのに、話が違うじゃないか!と。
フラット35利用者調査を参考にしているサイトが多い
住宅の広さに関する統計は一つではないので、サイトによってまちまちだと思います。
しかし最も多いのが、「フラット35利用者調査」という統計情報を参考にしているサイトです。
フラット35利用者調査は誰でも簡単に無料閲覧できるため、データの取得難易度が低いためです。
外部リンク : フラット35利用者調査
また、他サイトを引用している場合も多いので、その際はフラット35利用者調査の引用の引用という形になるということです。
この調査は名前のとおり、フラット35を利用している人だけのものなので、変動金利等を含めると若干内容が変わってくると思います。
しかしフラット35は最も一般的なローンの形になるので、多少のズレはあるものの、大凡世の中の平均からズレている値ではないと思います。
私も本記事に掲載している数値は、フラット35利用者調査の数値を利用しています。
注文住宅の延べ床面積の全国平均は約126.8㎡
注文住宅の延べ床面積の平均は、一体どれくらいの広さなのでしょうか?
フラット35利用者調査の「注文住宅」という統計項目を見ると、全国平均としては、延べ床面積は126.8㎡ということになりました。
年度によって多少異なるものの、他のサイトを見ても、これくらいの数値が並んでいるところが多いと思います。
1坪=約3.3㎡なので、126.8㎡=約38.4坪ということになります。
この数値を見た時の第一印象は人によって異なると思いますが、私の第一印象はこうでした。
平均にしては広すぎません?
東京都でも注文住宅の平均延べ床面積は123.3㎡
まず初めに思い浮かぶのは、「全国平均だから」という理由です。
これは北海道の数値も含めた平均なので、都会の数値はもっと低いのではないか、と。
しかし東京都の数値を見てみても、平均延べ床面積で123.3㎡の広さがあります。
これを坪数に直すと、約37.4坪もの広さになります。
いやいや、広すぎますって。
いや、もしかすると私の世界の視野が狭いだけで、実際はみんなこれくらいの広さの家に住んでるのでしょうか?
スポンサーリンクみんな広すぎない?お金持ちなの?
私が実際に注文住宅の検討をしている限りでは、30坪~35坪くらいが平均のような気がしています。
というかそれ以上の広さになると、お金的に厳しいです。
ハウスメーカーの営業マンに話を聞いても、「40坪の家は立派な家」という印象で、それが平均的な広さだという印象は受けません。
東京の平均値が37.4坪という数値は、およそ信じることができるものではありませんでした。
この数値だけ見ると、私の家の広さは平均以下なのか・・・?と思ってしまいますが、実はこれには罠がありました。
よく見る「平均延べ床面積」は土地のローンを組まない人の平均
上述の数値だけ見ると平均的に物凄く広いように見えますが、実はこの数値は「家を既に持っている人、もしくは土地代を全て現金で購入できる財力のある人」の平均値になります。
つまり、土地から買う人は除外されているのですね。
なぜこのような数値が色々なサイトに載ってしまうかというと、フラット35利用者調査の項目が「注文住宅」としか書いていないからです。
フラット35利用者調査には「注文住宅」と「土地付き注文住宅」の項目が別々にあるのですが、項目名だけ見ると「注文住宅」の中に「土地付き注文住宅」が含まれているように見えます。
しかし実際は、「注文住宅」という用語は以下のように定義されています。
建設費をフラット35で借り入れており、かつ、土地取得費をフラット35で借り入れていないもの(土地取得費をフラット35以外で借り入れているものを含む)
つまり、「注文住宅」として集計されている値は、少なくともフラット35では上物しか借りていない人の値になります。
別の銀行でローンを組むとか、頭金で土地を買った、という方もいると思いますが、都会の場合は多くの人は既に土地を持っていたり、相続して受け継いだ人だったりする場合が多いでしょう。
田舎の場合は地価が安いので、つなぎ融資のコストを考えると頭金で土地を買うという人もいますが、都会の場合はなかなかそうもいかないのが現実です。
スポンサーリンク土地から買う場合の全国平均は112.2㎡
では、「土地付き注文住宅」のカテゴリを見るとどうでしょうか。
「土地付き注文住宅」では、全国平均の延べ床面積は122.2㎡となっていました。
同じく1坪=3.3㎡で計算すると、122.2㎡=34坪になります。
34坪でも若干広いように感じますが、全国の平均であるということを考えると、納得の数値ではないでしょうか。
関東近郊ではもう少し狭く、田舎地域ではもう少し広くなるので、平均して34坪ということになります。
東京都に至っては97.5㎡
全国で一番土地が高い東京都に至っては、平均延べ床面積は約97.5㎡という結果でした。
坪数に言い換えると、29.5坪です。
全国で唯一、平均延べ床面積が30坪を割っている地域になります。
私は東京都ではなく、もう少し地価の安い都道府県で考えているため、これよりも平均は広いですが、東京都であれば30坪程度が平均というのも納得です。
東京都の土地は物凄く高く、且つ建ぺい率ギリギリに建てる傾向にあるので、これくらいの数値ではないでしょうか。
30坪だと狭いように感じるかもしれませんが、東京都内に土地を買って一軒家を持つ、という時点で既に贅沢かもしれません。
まとめ。ネットサイトの数値は誤りがある場合も!
自分の家の広さを考える時に、必ず参考にするのが世の中の平均です。
「他の人の広さは関係ない!自分が満足できる広さならそれで良い!」という意見も分かります。
しかしそれは理想論で、人間は社会的生き物であり、仕事をして社会の共通通貨を稼ぐ限りは、平均して贅沢なのか、我慢しすぎなのか等は参考にする必要があります。
インターネットで普通に調べると、世の中の注文住宅は物凄く広く、私の家は狭いように見えてしまうこともあります。
しかし、サイトに載っている数値自体が誤りの場合も多々あるのです。
親から土地をもらえる人、頭金で土地代が出せる人等、事情は様々ではありますが、「正しい平均値」ではないことは確実です。
この「全国平均」の数値に惑わされ、「私の家の延べ床面積狭いなぁ」と感じていた方は、安心してください。
世の中の人も皆、大体同じくらいの広さで考えていますよ。