お金を払えば払うほど良いものが買える、というのは、経済の大原則です。
知恵や知識によってこれは多少逆転するものの、有意な相関関係があるのは言うまでもありません。
何か物を買うときは、自分の貯金や出費等を考えながら検討することとなります。
目の前にあるちょっとした買い物であれば、今のお財布事情、今月の出費等を考えて、いくらまで出せるかを検討することができます。
しかし家の話になると、これが一気に難易度が上がります。
将来どういう支出の予定があって、どういう収入の予定があって、というものが分からないからです。
予測をつけてFPの先生に相談することもできますが、法律が変わるかもしれないし、会社が傾くかもしれない、病気になるかもしれなければ、事故に合うかもしれません。
不況になる、戦争が起きる等、気にしだしたらキリがありません。
この不安とどう向き合えば良いのか、自分の頭の整理も兼ねて書いていこうと思います。
(ノウハウ記事ではありませんのでご注意ください。)
色々な人に相談した
不安を払しょくするためには、やはり正しい知識が必要です。
インターネットで調べると、「額面収入に対して、ローンの負担率は25%以下にすべき」とか書いてありますが、本当にそんなに借りて大丈夫なのでしょうか?
実際、最大で25%以下というイメージ金額を頭に入れつつ、色々な人に相談してみました。
営業マンの話は話半分
まず一番最初に相談するのが、ハウスメーカーや工務店の営業マンでしょう。
相談する、というよりも、口にした不安に対して「これくらいのお客様はたくさんいる」という決まり文句を言われるだけなのですが。
営業マンは住宅を売るという目的を持っていますので、話半分に聞いておくと良いでしょう。
時には住宅を買わせるために、無責任なことを言ってくる場合もあります。
「FPではないので詳しいことは分かりませんが〜」という接頭語もセットでついてきます。笑
しかし営業マンとてそこまで現実離れした数字を言ってくるわけではないので、参考になることは間違いないでしょう。
FP(ファイナンシャルプランナー)の先生にも相談
お金の相談で最も行うべきは、やはりプロであるFP(ファイナンシャルプランナー)の先生に相談することです。
私はハウスメーカーからの紹介で、無料で相談させてもらいました。
リンク : 1級ファイナンシャルプランナー(FP)に住宅ローン相談をしてみた
ハウスメーカーからの紹介だと息がかかっている可能性も考えてしまいますが、完全に外部企業であるソニー生命のFPだったので、そこは正しく相談に乗ってくれると信じています。
大手の会社名を名乗っている以上、顧客のためにならないことをして評判を落とす、ということはしないと思います。
しかし私の場合も、現在負担率25%程度、将来給与が上がって負担率20%程度になるくらい(想定)の金額のローンであれば「余裕」判定でした。
職場の上司にも相談
同じ職場の上司や先輩にも相談しました。
これも非常に参考になると感じています。
同じ職場であれば、将来どれくらいの給与になるのか、その給与でそのローン金額で、どれくらいの生活ができるのか、という実際の話が聞けます。
親しければ、奥さんの収入や家計の負担、旅行の頻度等、少しセンシティブな話も聞くことができるでしょう。
これは非常に心強い後押しになりますし、参考になります。
ちなみに私はここでも、「それくらいの金額ならローン組んでも大丈夫」と言われました。
それでも不安はなくならない
計算できるところでは計算して、相談できるところには相談しました。
どこも「問題はない」という結論だったのにもかかわらず、それでも不安は消えませんでした。
理由は2つあり、1つはどんなに権威のある、信憑性の高い情報だったとしても、将来は誰にも分からないからです。
そしてもう1つは、マイホーム購入の検討を始めた当初に「ざっくりこれくらいかな」と考えていた金額よりも全然大きかったためです。
これが自分たちの感覚と同じくらいだったら良かったのですが、想像していた金額よりも高いローンを組むことについての不安が、FPの先生に相談しても消えませんでした。
旅行や娯楽のお金は残るのか?
住宅ローンで生活が苦しくならないか、という点も不安です。
一応、FPの先生には月4万円の遊び、5年に1回80万円程度の海外旅行を試算に入れてもらい、その上での判定です。
しかし実際に蓋を開けてみて、どうなるかは分かりません。
住宅ローンの金額を大きくしすぎて、遊びや旅行に使うお金がなくなってしまうのは本末転倒です。
充実した生活を送りながらちゃんと返せる金額なのか?という点が不安の一つです。
貯蓄はできるのか?
ちゃんと貯蓄をしながら生活ができるのか?という点も不安です。
この金額で生活できたとしても、ギリギリ生活では意味がありません。
一定程度貯蓄をしながら生活をしないと、万が一の対応や臨時出費の際に困ることになります。
「万が一の時は家を売って破産します!でも万が一が起こる可能性は低いから大丈夫!」というのはただのギャンブルに過ぎません。
安心して生活できるお金を毎月貯蓄しつつ、生活をしたいのです。
(もちろんFPの先生にはそれを伝えて、含めて相談しているのですが。。)
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そんなに不安なら額をもっと抑えて、安心できる金額にすれば良いのではないか、と言うのは至極正論です。
しかし誰しもの理想ではありますが、「適正金額」で家を買いたいのです。
「適正金額」は価値観によって大きく変わってきますし、どうやってもリスクを取らなければいけない、というのは最終結論であるのですが、葛藤はああります。
お金を貯めすぎて生活水準を下げるのは損失
住宅ローンの適正金額があるのであれば、貯蓄金額の適正金額もあります。
それが適正なのかは、一般的な適正金額と本人(個人)が思う適正金額では差があるでしょう。
しかしお金の上限が決まっている限り、その金額ではなく割合でのバランスを考えることも必要です。
適正金額だと思う金額を貯蓄したら、食費や住宅に充てる金額がなくなり、生活に彩りがなくなった、というのは本末転倒ではないでしょうか。
貯蓄は必要ですが、貯蓄したお金はその期間の人生からは切り取られたお金になります。
たとえば年収1,000万円のAさんが堅実に、年収300万円の人と同じ生活をして、20歳から貯蓄をはじめ、65歳の退職までに2億円貯めたとします。
一方、年収400万円のBさんも年収300万円の人と同じ生活をして、65歳までに老後に必要とされる2,000万円を貯めたとします。
もちろん給料の差があるので、年収1,000万円の人の方が裕福な老後を暮らせるのですが、結局20歳~65歳という人生の大事な期間は、同じような生活をしている、ということです。
なお、老後に2,000万円必要、というニュースはよく耳にしますが、Bさんはこれくらいの貯蓄があれば安心、と心穏やかに生活していたと仮定します。
金額の計算は例え話なので「そんなに貯まらないよ!」とか「もっと貯まるよ!」という意見もあるかもしれませんが、ここで言いたいのは「貯蓄のために生活水準を下げすることは、人生において損失である」ということです。
もちろん、夢や目標があってお金を貯めるのは別の話です。
単純に安心感を得るための「備え」としての貯蓄は、過剰に行いすぎると人生として勿体ない、ということです。
不安のない生活は価値のあるもの
老後に2,000万円必要だ!という騒動がありましたが、老後はもちろん、生活に不安がないことは大切な要素です。
そのためにお金を貯めるのは必要なことです。
不安にならないための貯蓄金額がいくらなのか?というのが、個人の感性によるものにはなりますが、少なくともコツコツと貯めていかなければなりません。
しかし上記の通り、不安になりすぎて、過度に貯蓄するのは損失でもあります。
この貯蓄と消費のバランスが非常に難しいところです。
今の日本は消費マインドが冷え込んでいると言われますが、そんなこと言ったって不安なのはどうしようもありません。
それを理解しながら考えると、更に「いくら貯蓄に回すのが適切なのか」という話になり、「いくら住宅資金に充てるのが適切なのか」という話に繋がります。
まとめ。不安とリスク。納得いくまで考え続ける
ここまで自分の考えを整理してきて、では私の場合どうなのか、ということを考えてみます。
FPの先生も、会社の先輩も、「その金額なら大丈夫」と言っている、ということを考えると、これは不安になりすぎている可能性がある、ということがあります。
しかし過剰な不安かとい問われれば、決してそんなことはないと思います。
不安を抱える以上は、不安を感じないようにローン金額を再考しなければいけません。
しかし、ただ単純に「ローン金額を下げる」というやり方ではなく、リスクを取ることへのメリットも考えながら、最終的に腹を括るまで、もっと時間をかけて考えていこうと思います。
最後に余談ですが、このように文字に起こすことは頭の整理にもなるので、ブロガーでなくても紙に書いて整理してみるのも良いと思います。