金融所得増税はFIREの妨げになるのかを考えてみた

以前の記事で、多くの人がFIREを目指す世の中になったら、少しずつ締め付けが強くなるのではないか、という予想をしました。

金融所得増税の話は度々起こり、今回の岸田内閣でも話題になっています。

岸田内閣で実現しなくても、長期的に資産形成を行う人にとって、毎度ヒヤヒヤさせられる話題です。

 

執筆時現在、どのような金融所得増税になるのか、明確な方針が示されていない中で、予想を踏まえて生地を書いてみます。

巷で騒がれている金融所得増税は、FIREの妨げになるのか、私の懸念はそれに尽きます。

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FIREは投資による資産形成が前提

株券のイラスト

FIREとは、Financial Independence, Retire Earlyの略で、経済的自立をして早期退職を目指す、というものです。

FIREを達成するためのセオリーとして言われているのが、コツコツと資産を形成し、年間支出の25倍の金融資産を築くことです。

この資産を運用しながら、年間4%ずつ取り崩して生活することで、理論上資産が尽きずに生活できる、というものです。

 

しかしこのFIREも、当然税率が上がれば難易度が上がります

金融所得増税の目的

納税のイラスト

そもそも金融所得増税を行う目的として、財源確保に加え、富の再分配というものがあります。

資本主義経済では富のあるところに富が集まるため、累進課税等によって富を再分配する必要があります。

 

しかし現在、年収1億円以上になると税負担割合が下がるという逆転現象が生じています。

これは、給与所得は累進課税で最大55%まで取られるのに対し、金融所得は20.315%の分離課税が適用可能だからです。

 

つまり、自身の収入に占める割合が、労働所得よりも金融所得の方が大きくなればなるほど、負担する税率が下がってしまうのです。

これを是正しつつ、財源を確保することが、金融所得増税の目的となります。

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金融所得1億円以下までは増税はされないと予想

重い税金

政府では一律増税案と累進案が検討されているようですが、私は累進案になると予想します。

 

一律増税は中間層への再分配にならず、国民の反発も大きいことが予想されます。

一律増税は逆進性の解決に繋がらず、国民の納得は得られません。

そのため、実現するにしてもこの逆進が発生する1億円以上から、と予想します。

(そもそも実現しない可能性も高いと思います。)

 

このブログを読んでいる方は、一般的な収入を持つサラリーマンであることがほとんどだと思いますので、金融所得1億円なんて関係のない話です。

そもそも、日本はNISA制度を導入する等、「貯蓄から投資へ」を目指しています。

NISAは「少額投資非課税制度」のことですから、少額の投資であれば減税(免税)してでも促していく、というスタンスは変わらないはずです。

 

そのため、一律の増税はある程度覚悟しておくとしても、累進課税か、高額所得者のみを対象とした増税になるのではないかと予想しています。

FIREという観点においては、障壁とならないと予想

お金を育てる人のイラスト

我々が目指すFIREは、年間支出額の25倍の金融資産を構築し、収支を均衡させることになります。

つまり、年間支出額=金融所得を目指すわけです。

 

目指す金額は人によってそれぞれですが、数百万円程度の人がほとんどで、漏れなく逆進とはなっていない所得層だと思います。

政府は財源確保と同時に、逆進性の解消、貯蓄から投資への移行を目指しているわけですから、FIREを目指す程度の金融所得であれば増税対象から外れるのではないかと予想します。

 

また、仮に税率が一律30%となったとしても、そんなことで生活できなくなるようなギリギリなFIREは、そもそもすべきではありません。

金融所得税が一律で上がったとしても、その分副収入等で稼ぐか、生活費を少し削れば良い、と考えられるくらいの水準でなければ、FIREとして危うすぎます。

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一律増税であれば、資産形成はETFより投信推奨となる

投資戦略を練る男性

しかし実際に金融所得税を一律で増税になったとしでも、我々のやるべきことは「投資からの撤退」ではありません。

たとえ金融所得税が30%になろうと、まだまだ資産形成のメリットの方が大きいです。

 

しかしもしも金融所得税が一律増税となったら、ETFよりも投資信託の優位性が上がります

FIREを目指す多くの人は、何らかのインデックスファンドにドルコスト平均法で積み立て投資をしていると思います。

ETFは投資信託と比べて経費率が低い反面、配当金を出すため、都度税金が引かれてしまいます。

 

投資信託であれば税引前で配当再投資をしてくれますので、より複利の力を活かすことができます。

引かれる税率が高ければ高いほど、投資信託はETFよりも有利になると言えます。

もしも金融所得税増税が行われた場合、そういった投資方針の転換等は必要となるかもしれません。

感想、まとめ。資産形成の手法は変えても、資産形成は継続

資産形成のイラスト

金融所得税が本当に増税されるのか、もしされたとしてどうのような形で行われることになるのか、それは分かりません。

自分が直接増税の対象にならなくても、投資家心理の悪化による株価の下落、富裕層の節税対策による売り等、間接的な影響は様々懸念されます。

 

しかし未来が見えない以上、今もこれからも愚直にコツコツと資産形成を行っていくしかありません

今の日本では、税金は利益に対して課されるものですから、増税になってもそれによって赤字になるようなことはありません。

さすがに反発が大きいので、含み益に課税、というところまではいかないと思います。

 

増税が懸念されるからと言って、資産運用をしなければ現金で持つしかありません。

投資家であれば金融所得税については気になるニュースだと思いますが、やることは変わらず、長期・分散で資産形成を行っていくのみです。

ただし、FIREの目標金額には、増税リスクは含めて計算しておいた方が良いかもしれませんね。

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