私は屋上付きの住宅に憧れがあり、マイホームの検討もそれ前提で始めました。
しかし情報収集を進めていくにつれ、屋上を設置することのリスクやデメリットを考え、諦めることにしました。
諦めると言っても、夢のマイホームなので、ただ諦めるわけではありません。
最初は屋上を小さくすることでリスクを低減しようと考えましたが、納得できる代替プランが見つかったため、断念することにしました。
アウトドアが好きで、屋上付きの住宅は一つの憧れでもあった
私はアウトドアが好きなので、屋外が楽しめる家にしたいと考えていました。
「庭」という選択肢もありますが、庭はプライベート感が少ないため、屋上を検討していました。
アウトドアも好きですが、そもそも高いところに出るのが好きなので、屋上は私の好みを満たすものでした。
屋上でバーベキューをしたりお酒を飲んだり・・・子供がいなくても、一人で屋上に出て楽しむくらいの自信はありました。
しかし現実的にはデメリットも大きく、どの営業マンに聞いても屋上はおすすめされませんでした。
屋上のメリット
私が屋上を諦めた理由を書く前に、屋上のメリットを整理しておきましょう。
屋上だからこそのメリットを理解することで、それが自分にとってどれだけ価値があるのか、同じ機能を有する代替案がないのかを考えることができます。
それらを考慮した上で、本当に屋上が必要かどうか考えることが求められます。
プライベートが確保された屋外空間
屋上のメリットの一つ目は、プライベートが確保された屋外空間を作ることができることです。
この「プライベート感」が、庭との大きな違いの一つと言えるでしょう。
庭でバーベキューをしている場合は、いくら樹木を植えたとしても前の道路を歩いている人からは見えてしまいます。
歩いている人も庭でワイワイしていれば中を見たくなるだろうし、目が合う事だってあります。
屋上であればそういった心配もないので、本当に自由に、のびのびと羽を伸ばすことができます。
高さがあるので風が気持ちいい
高さがあるところは風通しがよく、大変気持ち良いのも特徴です。
流石に真夏の猛暑日では暑いですが、屋上でプールに入って涼むこともできます。
誰の目も気にせず、羽を伸ばせる屋外は屋上ならではです。
また、風通しが良いので洗濯物も乾きやすく、バルコニーよりも広々としているので、洗い物が多い場合や、大きなものを干したい場合にも便利です。
私の場合は、キャンプで使うテントなんかは屋上の方が乾かしやすいですね。
庭が作れなくてもバーベキューができる
もう一つは、庭がない家の場合でも屋外空間が作れることです。
都会は特に土地の値段が高く、庭を造るスペースを用意するには相当のお金がかかるため、一般庶民には至難の業です。
そのような場合でも、屋上であればバーベキューをしたり、プールで遊んだりと活用することができます。
メンテナンス費用はかかりますが、屋根が必要なくなるため、屋上を作るだけではそこまで爆発的に値段が上がるわけではありません。
庭が持てない敷地の場合、代替策として屋上を作るのは選択肢の一つです。
スポンサーリンク屋上のデメリット
上記のようなメリットと、そもそもアウトドアが好きで、高く気持ちよい場所が好きなので、屋上は注文住宅づくりの第一候補でした。
しかし、そんな私でも今回屋上づくりを諦めたのには理由があります。
屋上を作るにあたってはよく言われるデメリットですが、それなりの強い意志と目的がなければ、屋上づくりは難しいと感じました。
私も最初は結構固い意志を持っていたのですが、色々な人の話を聞き、デメリットを知るにつれて諦めようという気になってきました。
雨漏りのリスクがある
最初にして最大のデメリットは、雨漏りのリスクがあることです。
屋上には通常、防水シート(もしくは金属防水)を貼ることが多いのですが、防水シートも何もなければ漏水するようなことはありません。
しかし何か尖ったもので傷つけてしまったり、火を落としてしまったりすると、たちまち水漏れが発生します。
そして水漏れが起こった際はバルコニーと異なり、直に家の中に水が侵入してしまい、多額の補修費用が発生するのです。
だからと言ってせっかく作った屋上なので、自由に使おうとすると、バーベキュー台を置き、椅子を置き、その上でワイワイ楽しむと思います。
「気を付けて使っていれば問題ない」と言っても、ずっと気を付けて使っていては楽しくないですよね。
どの営業マンに聞いても、「雨漏りのリスクはあります」と、口を揃えて言われるので、このあたりは間違いないでしょう。
定期的に防水シートのメンテナンスが必要
屋上を設置したとしても、初期費用はそこまで膨れ上がることはありません。
なぜなら、屋上を設置する分屋根がなくなるので、屋根を作る費用が削減されるからです。
しかしランニングコストは変わってきます。
一般的な防水シートの場合、10年~15年置きに張り替えを行う必要があります。
張り替えをしなくてもすぐにどうこうなるものではありませんが、付きまとうのは雨漏りのリスクです。
これを一生繰り返すのは、金銭面でも非常に負担になります。
作っただけで結局使わない
意見として多いのは、「作っただけで使わない」ということです。
私の場合、子供が大きくなるくらいまでは定期的に使う自信があります。
しかし定期的と言っても、1~2週間に1回が限度だと思います。
1~2週間に1回しか使わないもののために、メンテナンスをして保持し続けるのか、という議論もありますが、それくらい使えばまだ良いです。
子供が独り立ちし、階段を上るのが面倒だと感じるようになってきた時に、果たしてどれだけの頻度で使用するのでしょうか。
たとえば全く使わなくなってよ、10年に1回というメンテナンスは生涯付きまとい、また掃除も定期的に行わなければならないのにもかかわらず、「結局使用していない」というのはよく聞く話です。
行く頻度が少ないと掃除が大変
また、行く機会が少ないと掃除も大変です。
屋上なのでゴミや虫などもたくさん飛んできます。
1~2週間に1回しか使わないとなると、ほぼ使用時=掃除ではないでしょうか?
生涯にわたって定期的に掃除をする手間と、屋上で遊ぶ頻度を考えたときに、それでも屋上をつけるには確固たる意志が必要だと感じました。
屋上でもルーフバルコニーでもリスクは同じ
屋上がダメなら、ルーフバルコニーならどうでしょうか?
ルーフバルコニーなら屋上ほどの高さはないものの、屋上と同じように気持ちよく、広々と使うことができます。
しかし屋上でもルーフバルコニーでも、やっていることは防水シートなので、メンテナンス頻度も雨漏りリスクも同じです。
ルーフバルコニーの下が部屋ではなく庭になっていれば、万が一雨漏りした際の被害は最小限で済むという違いはあります。
また、雨漏りのリスクは広さによって違ってくるので、屋上ほどの広さを作らなければリスクは低減されます。
しかし基本的には、屋上でもバルコニーでも、気をつけなければいけないデメリットは同じです。
スポンサーリンク屋上を諦めた代替策
私が屋上を諦めたのは、デメリットがあるという理由だけではありません。
屋上をつけたいという希望はそこそこ強かったので、リスクを加味して最小限のサイズで設置しようと考えていました。
建売でも注文住宅でも、広めのバルコニーがある家はあります。
それと同じくらいの広さなら、同じくらいのリスクで作れると考えたからです。
しかし結局は屋上を諦めたのですが、それはデメリットがあるからではなく、納得できる代替プランを見つけたからです。
2階リビングにして屋根付きバルコニーをつける
屋上をやめて行う代替プランは、「2階にリビングにして陸続きのバルコニーを作る」ということです。
所謂「フルフラットバルコニー」というものです。
リビングからフルフラットバルコニーを繋げることにより、「使用しなくなる」というデメリットはなくなります。
更にそのバルコニーには屋根をつけるため、雨漏りリスクもかなり低減されます。
裸足で出られるようにしておけば、寧ろ屋上よりも室内と屋外の一体感を楽しめると思います。
二階だと隣家と目線の高さが同じになってしまいますが、それが嫌な方は格子をつけるという方法もあります。
リンク : 縦格子と横格子はどっちがいい?バルコニーに格子をつけてプライバシー確保
高さが足りないのは妥協点
この代替プランは、屋上と比較して高さが足りないのが欠点です。
私は高い位置のプライベート感と空気感好きだったので、この点は妥協点と言わざるを得ません。
ただしプライベート感は、壁や間取りの向き等を工夫することによって、フルフラットバルコニーでもかなり保たれると思います。
しかし他の家を見下ろすような長めの良さや気持ちよさは、屋上ならではのものです。
この点はリスクと天秤にかけ、諦めたポイントでもあります。
感想、まとめ。屋上はリスクが多い。強い意志が必要
注文住宅を検討し始めた最初は、私も屋上付き住宅に憧れていました。
しかし営業マンや色々な人の話を聞いて、屋上に憧れがあったとしても、リスクやデメリットの方が大きいと感じました。
しかしそれでも確固たる強い意志があれば、全て承知の上で屋上を設置したと思います。
私にはそれが足りなかったのだと思います。
今でも屋上には魅力を感じますし、ノーリスクならぜひ付けたいと思いますが、現実的にはやめておこうという結論に至りました。
もし屋上付き住宅を検討中の方は、自分がどれだけ強い気持ちを持っているか、それはリスクを上回れるものなのかを熟考することをおすすめします。